しあわせなブスと不幸な美人

ブスだからといってコンプクレックスに負けて夢をあきらめていいのか。 整形してブスを直すのはコンプレックス克服法として正しいのか。 ほんとうにブスは顔で損をしているのか。 恋愛では不利だったかもしれないが、ビジネスでもずっと不利なのか。 整形よりメンタル面のコンプレックス克服が先じゃないのか。

百田尚樹「モンスター」の衝撃

百田尚樹さんの「モンスター」
お読みになりましたか。
コワいですよ~w(゚o゚)w
いったい何回ブスっていう単語が出てくるんでしょうか。
ぶさいくな顔に生まれてきた女が、
どんだけ惨めな目にあうかっていうことを、
これでもか、これでもかと生々しく描いてあります。
生理的にいやなところを突いてきます。
誰の中にもある、
あなたの中にもきっとあるコンプレックスっていうものの存在を、
もうこれ以上は大きくできないっていうくらい大きくして、
ひとりの人間がコンプレックスに無残に押しつぶされていく様子が描かれています。
好きになった男性に贈った手編みのマフラーが野良犬に巻かれていたとか、
SMクラブで浣腸されるとか、
肉親からも死んだことにされているとか、
さすが百田尚樹さんは関西人でしかも元が放送作家というだけあって、
そういうところの描写がハンパない。
えげつないストーリー展開です。
けど、
大げさじゃないと思うんです。
弱い者に対する差別的行為っていうのは、
いつでも残忍きわまりない。
いじめ
を、
わたしたちはいつでも、
見て見ぬふりしています。
生理的にいやなところを突かれたと感じる理由は、
もしかしたら自分も加害者だと気づくからですね。
被害者だったこともあるかもしれないけれど、
攻守所を変えれば立派な加害者だ。
顔が汚いとかぶさいくだ、 あるいは臭いとかいう理由だけで、
ひどい扱いをしてしまった経験を思い出しませんか?
見殺し
っていう言葉もあるように、
見て見ぬふりをするっていうのは、
ある面で殺人なんですね。
見殺しにされた人がどれほど心に深い傷を負うかを考えると、
いじめられてるのが自分じゃなくてよかった

思うだけで犯罪かも。
>顔が醜いというだけで、
>人を差別したことなんてありません。

って、
言い切れたらいいんですけど。
はじめから見えないところにいて気づかなかったとしてもですね。
見て見ぬふりのくりかえしがあなたをそんな安全地帯へ運んだんだってことを、
あなた自身が気づいてしまう。
いやなところを突かれます。
あなたはあなた自身のコンプレックスと、
どんなふうに向きあい、
どんな解決策を選んできましたか。
主人公の和子が選んだ道と、
重ね合わせてみてどうですか。
力ずくで現実を変えていく道と、
あきらめたり慣れさせたりして心のあり方を変えていく道。
小説の中にも出てきますが、
たとえば背が低いことにコンプレックスを抱いている人は、
どうしたらいいんでしょうか。
かかとの高い靴を履いたくらいじゃごまかせないくらいの背丈だとしたら‥‥
現実のほうは変えられない‥‥。
お金で直せるだけブスのほうがマシだと思うんでしょうか。
ブスってほんとうに損なのかどうか、
じっくり深く検証してみる必要があるんじゃないでしょうか。
顔がぶさいくだというコンプレックスを理由に、
人生を、ビジネスを、あきらめるなんてことがあっていいのか。
10代、20代は恋愛で全敗したとして、
思春期をすぎてもそのまま苦しみつづけるのか。
ビジネス本位の30代でも泣かされっぱなしなのか。
たしかにいまは、
顔がものを言う時代だとわたしは思っています。
デジタル化が進んで美しい外見の利用価値は上がりました。
ってことは、
ブスはますます不利になったことを意味します。
自分撮りした写真をSNSに投稿すれば、
顔がかわいい女子とそうでない女子で「いいね!」の数と質が明らかにちがう。
しかしいくら美人でも、
自分の美しさを強みとして認識し、
利用することができないなら宝の持ち腐れ。
早い段階でアホな男に捕まって囲いこまれ、
まるで軟禁生活のような一生を送るリスクもあります。
意外と多いのが、
自分で自分の顔を好きになれない人ですね。
ブスから見れば信じられないことかもしれませんが、
あなたより断然かわいくてモテてる女友だちが、
>わたしってブスだからみんなに嫌われてるのよ。
>顔さえもうちょっとマシだったら、
>彼氏とも別れなくてすんだのに‥‥

って
半泣きになってる姿を見て、
>おまえのどこがブスやねん!

マジギレしそうになったことないですか?
>わたしこそほんとうのブス!
と、
変に自信をもって断言しているあなただって、
ただの思いこみじゃないとなぜ言い切れます?
具体的に
女子100人のうち何番めのブスなんですか?
もしかしたらブスなんじゃなくて
ただデブなだけかもしれないじゃないですか。
20キロ痩せたら顔の印象なんてガラッと変わりますよ。
自分を
実際以上にブスにしてしまっているメンタルなからくり

気づきましょう。
チャレンジから引っこむための口実に
コンプレックスが使われる
ケースが、
そこらじゅうにあふれているという現実にも、
気づきましょう。

すんげぇ美人に半年で飽きた件

すんげえ美人

てものと
ちょっとのあいだつきあったことがあります。
某女優と似ていたせいもあって、
2人で街を歩いているとすれちがう男たちがクルクルクル~って感じで、
おかしいくらい振り向いて、
視線がこっちに吸い寄せられているのがわかりました。
お店に入るとまた、
クルクルクル~って
こっちに視線が集まってくる。
スターじゃあるまいし‥‥
なんじゃこりゃって感じ。
美人を連れて歩くと
すごくいい気分がするのは確かでしたが、
そこの価値っていうのはそれだけでは長続きしませんね。
エッチするときだって、
ずーっと顔を眺めながらするわけじゃないですし。
ちやほやされすぎて奔放すぎるところに、
過去の男の手垢が感じられたりして、
残念ながら半年もたたないうちに飽きました。
出会って最初のころのウキウキした舞い上がりはなんだったのか。
自分の外見には自信をもった女性でしたが、
やはりそこが突出してましたので、
自分の仕事の中味や乗っているクルマ、住んでいる場所、
家柄や父親の職業、
姉妹の容姿やつきあっている男性の年収、
そういうところまですごく気にして、
いろいろコンプレックスを抱えていました。
外見が整いすぎていると、
それを目当てにそこそこのステイタスの男性が集まってくるので、
外見以外の部分とのギャップを感じさせるのがプレッシャーになってたみたいです。
だからはじめは
ベタな関西芸人風っぽいわたしの庶民感覚が気楽でステキって言ってくれてたんですけど、
そのうちそうじゃない方向へ‥‥
わたしの振る舞いや身なりに注文をつけてくるようになって‥‥
しんどくなってしまいました。
風のうわさで知った範囲では、
わたしと別れたあともあっちやこっちでいろんな男性と浮き名を流した挙げ句、
あまりしあわせな人生ではないらしいです。
つきあった相手の顔の美しさと思い出の美しさは必ずしも比例しないことを、
そこで学びました。
自称「美人経営者」の友人がいます。
どちらかというとブスなところをギャグにしているだけで、
ぜんぜん美人じゃないとこが笑えます。
男女の関係はありませんけど大好きな女性です。
その彼女いわく
>美人は経営に向いてないの。
──ですって。
>ふつう美人がさ、
>わざわざこんなしんどいことする理由がないでしょ。
>右から左から男たちの誘惑の手が伸びてきてさぁ、
>いっくらでも楽できちゃうんだからさあ。
>えっ?わたし?
>わたしはだから特別なのよ。
>そうそう、
>もしほんとうに美人で経営者で成功してる人がいたら、
>まちがいなくよ、

うん、
まぁたしかに‥‥
美人経営者と呼ばれている女性はたくさんいて、
相対的には美人だってことなんでしょうけど、
ほんとうに美人だと納得できる人となると、
なかなかいないんじゃないでしょうか。
え?
小室淑恵さん?
ああ‥‥なるほど。
おきれいですね。
もしかしてなんですかね?
彼女も。
ま、
中には例外もいてるでしょうが、
美人は経営に向いてないっていう話、
一理あるかもしれません。
特に、
ちゅうとはんぱにモテる微妙なラインの美人は、
自己効力感が定まらず、
男に惑わされて途中下車する率が高すぎて、
ビジネスではなかなか成功しないようですね。
じゃあ美人が経営に向いていないとすると、
ブスは向いているのか。
それは‥‥
中小企業の女性経営者に占める
美人とブスの割合を見たらわかるでしょう。
え?
人数の比率だけじゃなく、
成功の度合も考慮します?
そうするとやはり、
美人のほうが有利といえそうな気もしますが、
そんなふうにあらためて女性経営者を見わたしてみると、
いまはたしかに美人だと言えなくもないが、
もともとは意外とブスだったんじゃないかと思える人が多かったりします。
ああ‥‥
誰が美人で誰が美人じゃないのか、
見分けがつかなくなってきました。

コンプレックスを口実にして逃げるな

しかし要するに肝心なのは、
美人かブスかということよりも、
自分なりの強みを見つけて活かせるかどうかです。
強みを見つけて活かせる人が成功するんです。
弱みを強みに転換できる人

もっと成功する。
あなたがいま自分の弱みだと信じている箇所は、
チャレンジすることから逃げて努力を避けるための口実である可能性がとても高く、
ほとんどアテにはなりません。
小説の中で和子は、
自分が美しいことをはっきり理解していました。
男のスケベ心も完全に読み切ってた。
彼女が悪用した最大の強みは、
もうちょっとでやれそう(=セックスできそう)な期待を男の鼻先にぶらさげて、
その男の心理を巧みに操ることでした。
コワいです。
そんなことされたらひとたまりもありません。
身ぐるみ剥がれてしまいます。
ファッションヘルスで機嫌よく手コキで抜いてくれればいいところを、
期待以上の美人に当たって
>おにいさんスケベ好き?
>好きよね。
>あと2万円でアタシと本番どう?

なんて耳もとでささやかれ‥‥
つい予算オーバーしてしまった経験、
あなたにもないとは言わせま‥‥
あぁ、
また話が変なほうへそれてしまいましたね。
強みの話でした。
ではいっぽう、
ブスの強みとはなんでしょう?
そもそもブスに強みなんてあるんでしょうか。
ブスに生まれていいことなんてひとつもない

あなたはおっしゃるかもしれませんが、
いいことがあるかないかなんてきいてませんからね。
強みは何かっていう話です。
どうでしょう??
踏まれても蹴られても立ち上がれるんですよね、
虐げられて育った者は。
ちやほやされてこなかったってことは、
自分のことは自分で守るしかなかったってことですから。
男だってもちろん、
イケメンかそうじゃないかで分別されてますから、
ぶさいくな男もそれなりに粗末な扱いを受けてます。
しかしやっぱりそこはぶさいくな女のほうが世間の仕打ちが何倍も酷いもんですから、
それによって生じる心の歪み具合がまさに、
ブスをして過酷な環境変化に順応せしめるのです。
これまで耐えてきた苦しみにくらべたら、
どんな屈辱にも耐えられる。
人間の心の裏側に潜む残虐さ、偽善、欺瞞、を、
誰よりも鋭く見抜く。
和子のように顔の醜さが畸形的で、
周囲からバケモノ扱いされるくらい悲惨な日々を送っていれば、
さとりが必要な理由も見えてくる。
外見で優遇されないってことは
はじめから中味──すなわち本質──が問われてきたってことです。
本質を見極める能力が研ぎ澄まされるんですね。
きっとそれがブスの強みです。
窮鼠
猫を噛む。

で、
大逆転が起こる。
これはブスにかぎらず、
なにかしらのハンデを背負った者たちに共通していえることでもありますね。
コンプレックス
──心の歪み

克服して乗り越えたところに、
新境地が開ける。
コンプレックスを言い訳の道具に使って
サクセスをあきらめてはいけませんよね。

整形の前に試しておきたいこと

あなたは自分が損をしていると感じてきました。
自分は「顔がまずい」ことが、
その思いこみの根拠になっきた。
ぶさいくなことが自分のハンディキャップだと思ってきたんです。
>わたしはブスだから、
>男の子はわたしを選ばない。


いう結論が頭の中にしつこくある。
でも、これ、
まちがってますから。
たくさんの男の子たちがたくさんの場面で、
女性を「顔」で選別しています。
セクシーだとかキュートだとか、
勝手な形容詞をつけては恋に落ち、
からだを奪ったり弄んだりしています。
あなたはそれを何度も横目で見てきました。
というより、
さんざん見せつけられて、
これがどうしようもない現実なのだと思い知らされました。
しかしあえて、
そんな現実はさほど重要ではないと申しあげましょう。
男の、
このような選択基準などまったく重要ではない。
テーマを恋愛やセックスに絞り、
しかもその機会がめぐってくる回数だけ
人生を競うなら、
ブスが圧倒的に不利なのはまちがいないでしょうけど。
しかしあなたの成功やしあわせは、
そんなことにはほとんど関係がありません。
物事の本質を見極める能力が貧しければ、
美人でもあっけなく不幸になります。
心の法則

もっともっと絶対的で強力なものです。
それは原理であり公式であり原則であり真理です。
信じるか信じないかは自由ですけど、
自分は「顔がまずい」と思っているあなたの場合、
その法則が悪い方向へ回転しているのは確実なのです。
>わたしはブスだから、
>男の子はわたしを選ばない。


ていうのがウソかホントか、
そんなのは問題ではありません。
問題は、
この悲観的な結論があなたのアタマの中にある!
ことなのです。
このように考えていたらこのようになってしまいます。
いや、
もうなってしまいました。
いま、
あなたに覆いかぶさっている不幸のカタマリは、
心の法則によって裁かれた結果なんです。
人生は気のもちよう、
心のひとつの置きどころ。

あなたが失ったと思いこんでいる恋愛やセックスは、
まだぜんぜん手遅れでもなんでもない。
たとえ40代でも50歳をすぎてからでも、
人生はパンパカパーンなエクスタシーの連続。
胸の焦げるような恋は訪れます。
なぜって心は、
まわりまわって状況を変えるからですね。
確実に運命を変えます。
しかしもっと直接的に、
もっとも直接的にといっていいですが、
そのくらい直接的に心によって変わるもの
それが「顔」です。
心が超ストレートに顔を変えてしまうんです。
あなたの首の上に、
そうやってくっついている「顔」そのものが、
心によってつくられてます。
顔がブスだから心がひんまがったんじゃなく、
心がひんまがっているからブスなんだという順序。
不安、恐怖、憎しみ、怒り、焦り、嫉妬、疑い、嫌悪‥‥
それらはみんな黒い色で、
ゆがんでます。
顔の色は心の色なので、
そんな感情が外にあらわされるとき、
まわりはとても暗くなってしまうんですね。
ほんとうに顔がゆがんでしまうんです。
ですから!
いまここに、
新しい前提が必要です。
何もまずいことなどない。
すべてうまくいく!


いう前提です。
夢、希望、野心、自信‥‥
それらはみんな光り輝いています。
さっきの反対で、
まぶしいくらい。
その光を内側に向かって吹き込むとき、
心は甦り、まぶしく輝き、
超ストレートに「顔」を変え、声を変え、
振る舞いを変えます。
あっというまに状況が変わって運命が変わります。
明るくいきいきとした心は、
すべてを明るくいきいきとしたものに変えてしまいますが、
うじうじと嘆き悲しむことで「顔」は改善しません。
他人からどう扱われるかより、
自分で自分をどんなふうに扱うかが肝心です。
いちばん恐ろしいのは、
自分で自分の心を萎縮させてしまうこと。
コンプレックスなどはじめから存在しない
と、
そんな心の前提を崩すことなく慎重に行動の選択を続けていくことができたら、
いつのまにかほんとうにコンプクレックスは消えてなくなりますよ。
整形して顔を直すっていう選択も否定はしません。
自分を好きになるための努力ですから、
大いにけっこうなことです。
ただし順序が肝心。
心を直さずに顔だけ直してもいいんですけど、
あとでちゃんと軌道修正してくださいよ。
コンプレックスをコンプレックスのままにしてごまかして、
みだりに現実だけをいじくろうとしないこと。
いくら整形して気になる部分を取り除いても、
心がネガティブならまた次の欠点が気になりはじめます。
あなたの顔にもともと欠陥があるんじゃない。
欠陥を見つけ出さずにはおられない心があるだけなんです。
問題は急いで解決しようとしないことが肝心です。

すんげぇブスをリスペクトしていた件

すんげえブス

友人がいました。
はじめにハッキリことわっときますが
友人であって男女の関係ではありません。
20代に東京に住んでいたころアルバイトで知りあって、
のちにすごく尊敬することになった女です。
>あたしブスやけん、
>おかあさんに子どものころからずーっと言われとったたい。
>あんたブスやけん、
>男に食わしてもらおと思たらあかんって。
>他んとこで負けんようにしいって。

そういうことを大胆にふつうに誰にでも言うんで、
びっくりしました。
福岡県の出身で、
そういう訛りがある。
ツナギ着て男と同じ仕事してました。
フォークリフトの運転もうまい。
配送業者の現場仕事だったんです。
ダンゴ鼻で、
大きくてまん丸な2ツの穴が正面を向いてこっちを睨んでいるような。
目はちっちゃいし、
強度の近眼で、
赤いフチの牛乳瓶の底みたいな眼鏡をかけて。
おまけに太っていて、
顔全体が丸い。
確かにどう見てもブスでしたが、
男に溶けこんで紛れてしまっているのでぜんぜん気にならない。
要するにはじめっから女として扱ってなかったわけですが、
こういうの、
ブスがブスであることを忘れるにはいい手かも。
豪快な笑い方が印象的だったナ。
>ぐわっはっはぁ!
もしくは
>ぬわっはっはぁ!
というような感じで、
一日に何回も、
口を全開して愉快そうに笑う。
美人がそういう笑い方をしたら頭がおかしいと思われる‥‥っていうか、
社会の偏見が生む無言の圧力で止められる。
だからあの笑いは
ブスならではだな。
で、
職場でものすごく愛されてた。
わたしも何回か自分から誘って飲みに行きましたが、
あいつのあの明るさはなんだったんだろう。
まるで怪物みたい(顔がじゃなくて中味の強さが)だったっていうか、
底なしで異次元だったな。
男からも女からも好かれいて、
人気ナンバーワン。
みんな励まされてたんだなあ。
ほとんど全員、
彼女になにかしら救われてたと思う。
>あたしみたいなブスがこんだけ明るく生きとったらどげんね。
>あんたらの悩みとかそんなもん、
>ばからしくなるっちゃろ。

って。
もう、
返す言葉がないですね。
年下のあいつは当時22か23。
恋愛もしたい盛りだったと思うけど、
そういう話題にはぜんぜんならなかった。
あいつは自分のブスをきちんと自覚して、
それをかる~く乗り越えて、
まわりを励ます道具に使っとったんやなあって。
いまならわかるわ。
バイトを辞めたあと、
別の男友達からあいつに彼氏ができたって話を聞いた。
どんな男だったか。
みなさんの想像どおり、
まわりがひっくりかえるくらいのええ男やったらしい。
見てみたかった。

キクゾウが美容整形へ!?

余談ですが半年ほどまえ、
男のわたしが、
美容整形外科ってところを訪れました。
まぶたのたるみを切除する手術を受けたのです。
ジジイだって綺麗になりたいんだよっ!
って
思ったんでしょうか?
──いえ、
そんなわけでは(ё_ё)
わたしはもう何年ものあいだ、
ひどい眼精疲労にも悩まされていました。
パソコンと向きあって画面を凝視することの多い仕事ですから、
職業病みたいなもんで、
目が疲れるのだけはしかたがないとあきらめていました。
ぎゅーっと眼を閉じると、
乾ききった瞳に塩水が染みるようなもんで、
涙がこぼれました。
シバシバとまばたきするのが癖になり、
よくマッサージがわりに目元をゴシゴシこすってました。
そのことをある日、
行きつけのお好み焼き屋さんで、
おばちゃん(おねえさんかな?)にグチったんです。
>もう何年もひどい疲れ目で、
>目ぇ開けるんがしんどくなってきた。
>なんかこう、
>まぶたが重たいっていうか、
>目の上になんか乗ってんのかなぁ~て思うくらいや。

って。
そしたらお好み焼き屋のおねえさんが、
>あんた、
>それ「がんけんかすい」やがな。
>切ったらええんや。
>うちの親もそれで手術したんやで。
>保険きくし、
>安いもんやがな。

て教えてくれた。
へっ?(。・・。)
知らんということは恐ろしいもんです。
すぐにネットで調べたら情報はなんぼでも出てきました。
わたしは
眼瞼下垂(がんけんかすい)

ていう病気で、
目が開けにくくなっていたんです。
直すとしたら保険適用で4万円くらいの手術。
わずか1時間くらいで、
入院もしなくていい。
すぐに診察を受けた結果、
やっぱり明らかな眼瞼下垂ということでしたので、
迷わず予約を入れ、
2週間後には手術台の上に乗っていた。
痛みというほどの痛みはないですが、
なんせ場所が場所ですから、
かなりコワいです。
局部麻酔なので意識ははっきり。
ブシュ、パチッと、
肉や糸を切る音が聞こえて、
血が噴き出していく感じがわかります。
顔を直す女の人たちは、
みんなこの恐さを乗り越えるんでしょうか。
先生のおっしゃるには
>男性のほうが怖がりますよ。
>この機械で脈拍の変化がわかりますからね。
>切った瞬間にからだがこわばるのもたいてい男性。
>女性は血を見てもわりと平気な人が多いです。

──ですってε=( ̄。 ̄;)
わたしのまぶたから切り取ったたるみは6ミリくらいだそうです。
その肉片をお見せしましょうかと言われましたが
断りました。
手術直後から効果はてきめん。
まぶたの上にズドーンと重しが乗っかっていたような
長年の圧迫感は消えました。
まばたきが軽い。
パッと目が開く。
しかもそれで眼精疲労の症状が劇的に改善しました。
目がショボショボしない。
美容整形ではないので、
見た目はほとんど変わりません。
約10年前までの、
もとのまぶたに戻ったっていうだけですから。
手術の直後は「あれ?」っていう顔をされることもありましたが、
いまは誰ひとり気づきません。
わたしの汚いツラを気にかける人なんて‥‥
いないってことなんでしょう・゚゚・(×_×)・゚゚・。