コミュニケーションをよくする責任

うつ病が蔓延してます。 社員がある日、うつ病になったと聞いて、すぐに経営者の責任だと認められますか。 ホウ・レン・ソウのできない社員がいるとき、上司の側の責任だとすぐに認められますか。 経営者の責任が数々ある中で最も高いスキルが要求されるのはコミュニケーションです。


労使のコミュニケーションをよくすることは経営者の責任です。
「当社の労働者は、ものわかりが悪い」
といくら愚痴をこぼしても問題は一歩も前進しません。中小企業家同友会全国協議会中小企業における労使関係の見解より

さて‥‥
あなたは社員の声に耳を傾けていますか?
そして
社員の想いをくみとることができていますか?
──中小企業家同友会例会のバズセッションでもしばしば取りあげられる
おなじみのテーマですよね。
業績好調の会社なら、
社長は自信家であることが多いので、
>まえは社員の話なんて聞く気にもなりませんでしたけどね、
>いまは社員のほうからなんでも話してくれるようになりましたヨ。
>ハハハッ!
>というのもね、
>社員全員と個人面談の時間を取るようにしましてね。
>それも会社の中じゃなしに外でね、
>食事しながら楽しくやるんですヨ~。
>ハッハッハッ!

‥‥みたいな感じ。
儲かってる会社の社長が言うんだったらそんなもんかな
って思うので、
それ以上は誰も突っこみませんが、
これが事実である確率はせいぜい10%でしょう。
あとでこっそり社員さんのほうに聞いてみると、
不平、不満、愚痴、経営批判‥‥

テンコ盛りw(゚o゚)w

な~んてことがザラにあるんですから。
幹部社員が突然辞表を出してきて
社長は寝耳に水っていうケースは、
こういう自信家の──つまり勘ちがいの大きい──社長の会社に多発します。
こんな勘ちがい社長にかぎって業績不振を社員のせいにします。
業績が下がると態度が一変するんですね。
ε=( ̄。 ̄;)
対照的に‥‥
>「言いたいことがあるなら言うんだぞ」って、
>社員にはいつも言うんですけどねぇ。
>「どんな小さな意見や感想でも、
>なんでもいいから言ってくれよ。
>オレはちゃんと聞くからな」ってね。
>でもやっぱりなかなか言うてくれませんね。
>聞いてるつもりが聞けてない証拠ですね。

‥‥みたいな謙虚な社長のほうが信用できます。
なかなか社員は自分の本心を打ち明けない。
社員にかぎらず、
心になにか否定的な感情──不満でも憎しみでも──を抱いている人は、
その対象となる相手にはむしろ心を隠そうとするでしょう。
知られたくない悩みに苦しんだ経験は
あなたにだってあるはずです。
さいわい人間関係が良好で心を開く準備ができていたとしても、
悩んでいる本人は
自分がどう思っているか自分自身でわかっていないことがほとんどです。
本人が自覚できないストレスだって、
どれほどあるかわからないわけで、
むしろそっちのほうが怖いわけですし。
上司が「すごくコミュニケーションとれてる」と吹聴しているところは、
部下が上司の聞きたそうなことを並べてるだけ‥‥
っていう
うわべだけのケースが多いので要注意なんですね。
コミュニケーションはままならぬものなんです。
部下が抱えているストレスに上司が敏感になってやらないと
組織のベストが引き出せないわけですが、
そのためには
上司が心のスペシャリストである必要があります。
わたしの友人で、
コーチングの理論とスキルを深く身につけた優れたコンサルタントがいます。
会社訪問をすると、
>いま、○○部の△△さん、
>ちょっとしんどい時期みたいなんで、
>こんなふうに一声かけてあげたらいいですよ。

って、
社長にアドバイスしてます。
オーラが読めるというか、
ちょっとした異変にパッと気づくタイプなんですね。
看護師として長年仕事をされた経験が生きているのでしょう。
本人が気づくより先に、
体調の変化に気づいてあげる必要のある現場ですもんね。
尊敬します。
たとえばあなたの会社に、
あした自殺すると決めている人がいたとして、
あなたはそれに気づきますか?
コミュニケーションは回数が大事‥‥
というのも確かです。
顔を合わせて声を聞く接点をつくらないことには、
感じ取れるはずのものも逃してしまいます。
だからといって、
>みんなと飲みに行く回数を増やせばいいんだな(ё_ё)
‥‥ではない。
そんな形式ばった行為に意識が向いていたのでは何にもなりません。
人は誰でも、
信号というか波動というか、
からだから何らかのメッセージを発していますから、
そこを感じ取っていくことこそが大切だと思うんです。
男女の仲でもそうですよね。
>引き出しの中の書類を片づけはじめたときは
>彼の機嫌が悪い兆候よ。
>無意識に気持ちを立て直そうとしてるのよ。

みたいなこと

知っている彼女がいます。
愛している相手なら、
本人が気づくまえに気づくこともできるのです。
夫婦や恋人でもないのに、
そのくらいの微妙な変化に気づくには、
あたかも高性能なアンテナをもった受信機のように を研ぎ澄ますしかありません。
心のお手入れをまめにやっていると、
がぐんぐん冴えてきて
そういうこともわかるようになります。
ピンとくるってやつですね。
もうひとつのIT

使いこなせるようになりましょう。
話そうとしない部下がいるんじゃなくて、
聞こうとしない上司がいるだけなんです。
ホウ・レン・ソウも同じ。
>何回注意してもあいつは
>いっつも大事な報告を忘れる!

じゃない。
報告しにくい雰囲気のあなたがそこにいるだけ。
よろしいか。
わたしたちの目に映っているもののすべては、
わたしたち自身の想念が創造しました。
呼び寄せたという以上のものがあります。
想いは現実化しているんです。
あなたが全宇宙の創造主なわけですから、
その出来ばえのすべてに責任を持つという気構えでいいでしょう。
ましてやあなたの会社で起こっていることなら、
なにからなにまで責任を取って当然。
>しかしね、
>すみずみまで目が届かないからこそ、
>部門のリーダーに部門のことは任せるわけでしょ。
>そこの部門がヘマをしたら、
>それは任されたリーダーに責任を取らせないと、
>無責任なリーダーばっかりになってしまうじゃないですか。


おっしゃいますか。
もちろん責任は持たせてあげてください。
>このプロジェクトに失敗したら、
>リーダーのキミに責任を取ってもらうからな。

っていう言い方もOKでしょう。
権限が大きい割に責任感がないリーダーは
組織をつぶしてしまいますしね。
ただ、
責任を持たせるということは責任転嫁とはちがいます。
よね?
>これはおまえの責任だからな。
>オレは知らんからな。

じゃない。
そういうのは自分の責任を放棄した態度です。
冷たく突き放すのは言葉のアヤ、
便宜上のことだけにしといてください。
組織の中で誰かに責任を与えたら、
それより大きな責任が与えた側に残ります。
責任を与えた責任ですよね。
任命責任、監督責任‥‥。
>なんであいつのケツまでオレが拭かなあかんねん!

完全にあなたの責任放棄です。
社員が自殺という最悪のケースは、
わたしの関与する会社では過去に1件だけですが、
うつ病になってしまったという話は数えきれません。
社員が勝手にうつ病になったんじゃないんです。
そこまで見逃していたあなたの責任です。
相応のダメージを会社が受けることになりますが、
それこそが学びなんです。
ぜんぜんいいことではありませんが、
メンタルヘルス系セミナーの大盛況が続く国、
それが日本です。
>パワハラによるうつ病が労災認定されるようになったらしいから、
>セミナーでも受けとこう‥‥

じゃ
ないんですよ。
自分のまわりにいる人みんなのしあわせについて
責任を取ろうとする意識

から
スタートしましょう。
ほんとうはしあわせなのにもかかわらず、
そのありがたさに気づかず、
わざわざ自分を不幸にしている人が多すぎます。
>アホな部下の責任までぜんぶ背負ってたら
>こっちの首が危ないワ。

じゃ
ないです。
実際には正反対のことが起こります。
いまよりずっと楽になるんです。
ほんとうに、
責任は取ろうとすればするほど自分が楽になります。
この現実は自分の想念がつくったんだ。
だから目の前のこの出来事も自分が起こしたことにちがいない。
そんなつもりじゃなかったにしても、
無意識に描いてきたことがこのタイミングでひょっこり出てきたんだな。
全責任を押しつけられるのもどうかと思うが、
たしかに責任の何割かは自分にあるかもしれない。
またあらためて想いを点検してみる必要があるな。

──と、
まぁこういう決着を習慣にしてみてください。
迷いも躊躇も屁理屈なにもなく、
すべての責任を我れが引き受けると決めるのです。
そうすると‥‥
もう他人を責める必要がなくなるじゃないですか。
これがとにかく楽なんです。
>そうは言うても、
>目の前でどんくさい仕事するマヌケな社員がいたら、
>朝から怒鳴りたくもなりまっせ!

‥‥ですよね。
でもそんな人が近くにいるという現実は、
あなたが今日まで生きてきて積み上げてきた、
あなた自身の成果でもあるわけです。
よね?
いい出会いっていうのもまた、
運とか偶然などではなく、
ふだんの想いしだい。
自分の嫁(または亭主)だとわかりやすいんですが、
気がきかんだの、稼ぎが悪いだの、浮気性だの、
いろいろ愚痴をこぼしてみたところで、
その相手を選んだのは自分自身ですし、
籍を入れると決心したのも自分なわけです。
なのに、
選んだ自分の責任はそっちのけにして、
相手の悪いところばかりを責める人っていうのはどんなもんでしょ。
いい出会い

引きよせなかった自分の想念を点検しなければ、
離婚して再婚してもまたババを引くだけです。
なまいきな口のきき方をするムカつく社員がいたとしたら、
あなたの想念が相手にそういう口のきき方をさせているんだと思うことにしましょう。
するとまもなく、
>ウチの社長は口ではえらそうなことばっかり言うくせに、
>わたしたちの話なんてちっとも聞いてくれない。


陰口を叩かれることが激減します。
(陰口だから聞こえないはずなんですが‥‥
なぜか減ったとわかるようになります。)

妙にモテたりします b(⌒o⌒)d
楽なんです。
コミュニケーション×責任
っていうテーマ、
くれずれも軽々しく扱わないようにしましょね(≡^∇^≡)