エゴの衝突 思考は自分ではありません。 思考は自分なんだと思いこむところから苦しみが生まれるのです。 思考は、2人いる自分のうち、エゴさんが担当しているものです。 これをもうひとりの自分に見張らせてください。 観察するんです。
あなたが「Aだ」と固く信じているところに、 >そこはBですよ。 と言われると、 >そんなばかな! と 反応しますよね。 それは頭(思考)の判断ですが、 そういう判断をくだすと同時に心(感情)が動きます。 「Bですよ」と言われたときに、 「ふうん」と聞き流せる人もいます。 >自分はAだと思っていたけど、 >Bだと考える人もいるんだ。 で 終わりにできたら、 感情は動きません。 「Aだ」という判断だけが正しくて 他はまちがっている という価値観を握りしめていると、 「Bですよ」という他人の言葉が苦痛になるのです。 「Aがあたりまえだ」とか「Aに決まっている」 という 決めつけた風な言い方には、 すでに正しさが含まれていることに注意してください。 正しさを手放すことができれば楽になれるんです。 が、 正しさを手放そうとすると、 あなたのエゴさんが抵抗します。 エゴさんの言い分はだいたいいつも >そんなことをしたらたいへんなことになる! って感じです。 だって、 食うためにはやらなければならないからです。 生きのびるための根元的な恐怖感が >会社は利益を出さなければならない。 >従業員は給料もらっているんだから働くのが当然だ。 といった価値観をいくつも生みだしているんです。 強迫観念と呼んでもいいでしょう。 1回めは流せても、 しつこく言い続けられたり別の不愉快なメッセージが添えられたりすると 引っかかってしまいます。 たとえば、 あなたは「Aだ」と言う。 あなたの部下は >課長はいつもBのように考えろって言われてますよね。 >なのにこの会社のときだけAだなんて、 >おかしいんじゃないですか。 と あなたを非難する。 するとあなたはつい、 自分を弁護するために >だってこの場合は、 >○○○な状況なんだからAじゃなきゃマズいだろう。 と やり返すのです。 そうすると部下はますます語気を強めて >いや、 >それはそうではなくて、 >×××っていうふうに考えるべきなんだからBじゃないですか。 となる。 これがグループ討議の場だとすると、 何人かはあなたの味方をして >でも、 >Bにはこういう矛盾もありますよね。 と 援護してくれるかもしれません。 その間、 あなたの頭の中(思考)は、 猛烈なスピードで二元論に陥っているはずです。 議論における 勝ち負け の あいだで揺れまくるのです。 >結論がAに決まらないとたいへんなことになるぞ。 という思いが、 じわじわとふくらんでいくことになります。 >たいへんなことってなんなのサ? って 誰も突っこんでくれませんから ┐(-。-;)┌ そこでBが優勢になってきたりすると、 いよいよ思考はフル回転をはじめます。 とりあえず大声を出して恫喝しておけば、 自説を貫けるという経験則に従ってしまうかもしれません。 AかBのどちらが適切かの判断を放り投げて >おまえらはよっぽど頭が悪い。 と 異次元の暴論を持ち出すかもしれません。 ここまでくると思考は >あれでいくかこれでいくか、 >どうしてやろうか。 と 内面で分裂気味に増殖していて、 裁断のきっかけを失ってしまいます。 すべての議論が冷めたあと、 >ああ、またやってしまった‥‥ と 感じると、 こんどは自分を責める気持ちを止めることができません。 >自分がまちがえるはずがない。 と、 自分にもまわりにも示そうとしてドツボにはまります。 これが、 ああいえばこういう型スパイラル の 恐ろしいところです。 >だってどう考えたってAでしょ。 >Bだとしたらどうするんだ。 >こんなことになる責任は誰が取るんだよ。 >誰も取らないんだからAしかないだろ。 >同じことを何度も言わせるなよ。 って、 いちいちかなり大切な原則がはたらきますんで、 思考も感情も火だるまです。 あなたにも経験がおありだと思うんですけど、 はじめはそこまで固執してなかったはずなんです。 挙げたコブシの下ろしどころがわからんっつーか、 言えば言うほどだんだんそうじゃなきゃいけない気になってしまっただけ。 原則はいつもそんなふうにはたらくんです。 だからあらかじめ 思考の玉突き衝突パターンを知っておきましょう ぶつかっても流しましょう。 できればはじめの軽い衝突から流すことが望ましいでしょうが、 大声で怒鳴ってしまってから気づくかもしれません。 そのときはそこからでも流す。 観察の対象は思考なんだと あらかじめ知っておきましょう。 思考パターンを学習しておくこと。 そうすれば、 思考を自分そのものだと思いこまないで、 そこから離れて眺めることも容易になるはずです。 ▽ 経営指針書の効能 ▽ かなり大切な原則の補足説明 ▽ 怒りのコントロール