親の反対で内定辞退とは──新卒採用6年めの座礁

親の反対で内定を辞退するケースが増えているっていう話は聞いてました。 売り手市場で学生も親も強気なんでしょう。 しかし、それがわが社の採用計画を直撃するとは‥‥。 長くて痛い新卒採用の道のりが9月で座礁。退職者も出て、中途採用に切り替えざるをえないのか‥‥


この感じは、
挫折とはいわないかな。
座礁だな。
折れてないけど、
持って行き場のないカラまわり感。
2017年度新卒の、
採用計画が行き詰まってしまいました。
いったんは内定を出し、
めでたく決着したかに思えたのですが、
しかし結果から申しあげますと、
内定辞退
です。
原因は‥‥、
まぁ、
いくつかの要因がからんでいるとはいえ、
親の反対

引き金になったといっていいでしょう。
面接のときから
>大企業か公務員じゃないとだめ
っていう
わかりやすい価値観の母親だってことは聞いてたんですけど、
ま、
そんなんはよくある話と思ってスルーしてたんですが、
いよいよ内定承諾書を提出してもらう日の朝になって、
>中小企業でも安定したところじゃないとだめ。
>そんな会社に入るくらいならニートしなさい。
>インフルエンザにかかったことにして
>今日は行くのやめなさい。

と、
当社のホームページをチェックした上で
そこまで露骨に嫌悪されてるということで、
会社全体がブルーな気分に。
ま、
とりつく島もなく全否定されたってとこですね。
どうにも言葉にならない、
どんより曇った気分になってしまったんですが、
それでも本人はウチに来たいってはっきり意思表示している以上、
内定が覆ることはないと思ってました。
ところが
さらに後日‥‥
このサイトへまめに来ていただいている方は、
わたしが採用内定のたびに
学生の両親にあいさつに行くってのはごぞんじでしょうけど、
こんなにはっきり拒絶された相手と顔を合わすのはもちろんイヤです。
ぜんぜん気が進みませんでしたが、
直に会って話せば何か局面が変わるかもしれないし、
やると決めた儀式ですからやるのが筋。
そしたら案の定、
こんどはあちらのお父さんが、
>あいさつには来るな

おっしゃったってことで、
一部上場企業にお勤めの立派な方らしいんですけど。
ま、
両親そろってわかりやすい価値観のご家庭だったんですよね。
(ついでに、
お姉さんにも反対されてるってことでしたが。)

(ё_ё)
凹む

表現するのは適切ではないのですが、
他に
あのときの自分の感情をあらわす言葉が見つかりません。
腹が立ったという感じでもなく、
むしろ呆れたというか面食らったというか、
なんか、
船酔いしたような‥‥
ネチョっとした気持ち悪さで‥‥
吐きそう
でした。
まわりの先輩経営者に相談すると、
ほぼ100%
>親がつべこべ口出しするパターンはろくなことないぞ。
>入社してからもゼッタイもめる。
>やめとけそんなヤツ


大合唱。
日毎に採用モチベーションは下がっていったわけなんですが、
しかし、
このたったひとりの内定にこぎつけるまで、
どんだけ長い道のりだったか。
3月に1回めの企業説明会、
2回めは5月、
成果のよく見えない大学訪問。
面接の申し込みは例年どおりの賑わいでしたが、
とにかく今年は辞退が多かった。
一次を通過して二次、三次と進んだ学生も、
大手企業から内定がバンバン出てるらしく、
辞退、辞退、辞退。
また辞退。
面接辞退の嵐
でした。
大手の採用意欲が旺盛なおかげで、
学生は完全に売り手市場で強気です。
当社の理想的なスケジュールとしては、
6月末までに採用内定し、
7月初旬に実施する一泊研修にいっしょに参加してもらいたかったんですが、
ひとり、またひとり、
と、
内定候補が消えていく虚しさ。
たったひとりの採用枠を埋めるため、
ほんとうに長くて痛い失恋レースを経て、
ようやく彼の内定にたどりついたのは9月1日。
それを、
両親が猛反対してるからという理由で、
あきらめてしまえるのか。
と、
そんなタイミングで、
昨年4月に新卒で採った女子が辞表を出してきました。
わたしは即答で
>あ、そ。
>OKですよ。

そういやぁこの彼女の親も、
なんかしらんけど怒ってるそうなんですよ。
会社でこんなこと言われて、
こんなとこ行かされてって、
わりとまめに親に報告するタイプでして。
もちろん本人も不満爆発で真っ赤な顔して怒ってましたけど、
どうぞどうぞ、
暴言と指摘された部分については認めて謝罪はしましたが、
そこが理由ならいますぐにでもお辞めくだされ。
あー、
そういやぁ5年前に初めて新卒で採った女子も、
1年ちょっとで辞めちゃいましたが、
お母さんがどう言ってるお父さんにはこんなこと言われた、
ついでに、
彼氏にはこう言われたっていうおまけまでついてましたねぇ。
吐きそうな気分の源はそこかな。
>親が、親が、親が‥‥
──ま、
親は大切にしてください。
みなさんをここまで立派に育ててくれた大切な親ですもんね、
老後の面倒もちゃんとみてあげましょうよね。
仕事がしんどいとき、
人生に迷ったとき、
自分のことをいちばん心配してくれてる親に相談する。
これ大事。
ストレスに耐えてメンタル壊れるくらいなら、
そのまえにさっさと辞表を出す。
これも大事。
ベクトルが合わないってことがわかったら、
そこでゲームオーバー。
(ё_ё)
なんなんですかなぁ~新卒採用。
来年4月にはもうひとり増えるはずが、
逆にマイナス1とは‥‥
ね。
まだ10月なんですから、
半年近く残っているんですから、
いまからでもがんばったらまだまにあうのかもしれませんけど‥‥
なんか、
スッと冷めてしまいました。
>そこまで新卒にこだわることもないか。
>ええかもう、
>中途採用でもなんでも‥‥

みたいな、
投げやりな。
育つ環境も整ってないところに、
右も左もわからん社会人1年生をほりこんでも、
お互い不幸なだけですやん。
本質的なところで、
会社の魅力が上がってないなら、
やっぱり学生は見向きもしてくれないわけで。
いやまぁ、でも、
親が、親が、親が‥‥
っていうのは
新卒も中途も関係ないか。
(ё_ё)
子どもの人生に、
どこまで干渉するか。
あからさまな干渉は子どもの側で拒絶したとしても、
すりこまれてしまった価値観はなかなか抜けない。
いくつになっても、
たとえ離れて生活していても、
リモートコントロールで言いなりになってるタイプもいる。
わたしだって‥‥
きっと子どものキャリアに口を出すことになるんでしょうね。
大企業と公務員は
ぜったいあかんぞ!

って
横ヤリ入れてしまいそうですr(^ω^*)))
計画的定期的新卒採用
仕切り直しの巻でした。