アンパンマンの目線で飛んでみようか
アンパンマンは空を飛びながら「誰か困っている人はいませんか?」と声をかけながらパトロールしています。 困りごとがあるところにお役立ちの機会あり。 自分には何ができるかに集中すればきっと答は見つかります。 自分の顔をちぎってお腹をすかせた人を助けるアンパンマンに学びましょう。
アンパンマンは空を飛びながら「誰か困っている人はいませんか?」と声をかけながらパトロールしています。 困りごとがあるところにお役立ちの機会あり。 自分には何ができるかに集中すればきっと答は見つかります。 自分の顔をちぎってお腹をすかせた人を助けるアンパンマンに学びましょう。
一九六〇年代に生まれたアンパンマンを、一九七三年に子ども向けの絵本にするとき、一番描きたかったことがある。
「正義を行おうとすれば、自分も深く傷つくものだ。でも、そういう捨て身、献身の心なくして、正義は決して行えない」といことだ。
正義のために、飢えた人のところまで空を飛んでいって、自分の顔をちぎって食べさせる。だが、そうすることで、アンパンマンはエネルギーを失って失速する。
こういうカッコ悪い正義の味方を描きたい。そんな思いから、アンパンマンは世の中に出ていった。
そんなヒーローを、子どもたちは好きになってくれるだろうかと不安だった。
実際、当初は大不評だった。出版社の編集部からは、「こんな絵本は、もうこれっきりにしてください」と顔をしかめられた。「顔をちぎって食べさせるなんて、残酷です」と手紙が来たりした。
だけど、めげなかった。
作者がしっかり愛してやっていればいい。作者の愛情の中で生きているだけでもいい。そう思っていた。やなせたかし「明日をひらく言葉」より
人生の楽しみの中で最大最高のものは、
やはり、人を喜ばせることでしょう。
すべての芸術、
すべての文化は
人を喜ばせたいということが原点で、
喜ばせごっこをしながら原則的に愛別離苦、
さよならだけの寂しげな人生を
ごまかしながら生きているんですね。
ぼくの本を読む人、
テレビを見たり
コンサートに来る人には、
心の底から楽しんでほしい。
この世の惨苦、
終わらない戦争、
血まみれの惨劇、
嘘つきの政治家、
金権体質、
すべてをボクは憎悪するけれども、
怒るよりも笑いたい。
ひとときすべてを忘れていたい。
人生なんて夢だけど、夢の中にも夢はある。
悪夢よりは楽しい夢がいい。
すべての人に優しくして、
最後は焼き場の薄けむり。
だれだって同じだから焦ってみても仕方がない。
そう思っています。やなせたかし