「食べたい」を消す

人間、
何となし気持ちのいいのは、
うすらひもじく感じてるときのはずだ。
中村天風師「いつまでも若々しく生きる」より

メタボが気になるオヤジさんたちに、
はじめにこの言葉を捧げましょう。
空腹は快感だ
っていう、
あなたのいまの思いこみとは真逆の思いこみを、
アマタに刷りこむことができれば、
そこから先のダイエットはものすご~く楽になる。
だからあれこれ試すまえに、
まずそこのところをやってみましょう。
>あ~っ、
>ハラ減ったなぁ!
>‥‥
>ええ気持ちやなぁ~!!

‥‥なんですね。
わたしのお勧めするダイエット法は基本、
食べたいものは食べる。
できるだけ我慢はしない
ただ、
「食べたい」欲求そのものについては、
かなり念の入ったコントロールを施してもらう。
難易度の高いテクニックです。
怒りやら不安やらを取り扱うのと同じ処理法で、
消してしまうわけだ。
「食べたい」消す
いきなりだと、
なんのことかわかりませんね。
これはいわば
観念のダイエット法
ですから、
理解するのにちょっと時間がかかる。
「我慢する」のとは決定的に異なるわけなんですが、
その意味はだんだんとわかります。

ダイエットはさとり

気が散って心が整えられないときは、
食べたい欲求をうまく消すことができず、
やっぱり食べすぎて太ってしまうこともある。
力ずくで我慢するよりよっぽど繊細でむずかしい。
むずかしいならよせばいいんでしょうが、
おもしろいですから楽しんでやってみてほしい。
心の調子と体重が密接にリンクしてる。
2キロくらい太る程度なら気にせず、
心の不調を検知するアラームのように使えばいい。
そろそろ気を引き締めないとな‥‥っていうふうに。
自分の身体と会話しながら根気よく、
「そもそも食べたいと感じていない状態」をつくりだすわけなのだが、
それと我慢することとは決定的にちがうんだということを
しつこく学ぶつもりでやってほしい。
食べる量や食べ方をコントロールするためには、
自分のもつ意志の使い方を深く知っておく必要がある。
なんせ、
トライしては挫折する回数がハンパじゃなく多いのがダイエットなので、
賢く意志を使うことができなければしんどい。
ダイエットも突きつめていくとさとりに通じる‥‥
っていうのはほんとうでしょうねL(・o・)」
食べなきゃ腹が減るのは確かなので、
これはごまかせません。
おなかがすいた感じ
を、
長く、丁寧に、
味わうようにします。
食べたくても食べられなかった時代、
ひもじくても食べられない人たちに想いを馳せますと、
食べ物に対するありがたみ

ひとしお感じられるはず。
ありがとうございます。

空腹を敵にまわすな

少食っていうのは、
食べ物を欲しがる身体に我慢を強いることではなくて、
胃腸を休ませてあげているってこと。
だって、
ふだん働かせすぎてるじゃないですか、
胃腸さんを。
毎晩過酷な接待につきあわせて。
辛いもんやら脂もんやらアルコールやら。
残業手当も払わずにねぇ。
そういう無神経な上司は、
きっと部下にも同じことをやってる。
だからたまには、
プチ断食でもやってみたらいい。
週末に1日だけ何も食べない習慣がつくだけで、
人生観が変わるから。
おなかがすいたこの瞬間、
肉体が蘇ってくれている。
それを感じとるように。
そうして空腹を楽しむ
くれぐれも
「空腹と闘う」というような物騒な感じ

ならないように気をつけること。
空腹を敵にまわすようじゃダイエットは挫折する。
一時的にうまくいったって、
長期的には確実に失敗だ。
反対に、
空腹を味方につけるのがコツ。
「おなかすいたなぁ」っていう状態のときは、
ふだん食べすぎてヘトヘトになった胃腸さんが、
ゆっくり休んで回復してくれているイメージを描けばいい。
ま、
実際にそうなんで。
おなかがすいているときに、
血液がきれいになっていってる。
よぶんなものが、
かたづけられていってる。
ぐ~っとおなかが鳴ったなら、
いつもあなたのためにがんばってくれているあなたの胃腸さんに
ありがとうを言いましょう。

少食といえばこの先生!

では最後に、
あなたの心が折れそうになったときにぜひ思い出してほしい、
珠玉の言葉をご紹介しましょう。
はじめの6行、
覚えちゃいましょっか。
おまじないのようになんべんも、
くりかえしてくりかえしてくりかえしているうちに、
これがあなたにとって真実になる。
そうなればもうしめたものですよ(≡^∇^≡)
この空腹で健康になる。
この空腹で長生きができる。
この空腹でよく働ける身体になる。
この空腹で頭がよくなる。
この空腹で美しくなる。
この空腹で運命が開かれる。
  **
このような自己暗示のくり返しは、
ついには少食の実行を心底から望むような気持に変えさせてしまうのです。
何事のばあいも、
「しなければならない」という義務感でしている間は身につかないものです。
「ぜひやりたい」という強烈な想念こそが、
自らを駆りたてる原動力となり、
ついにその望みを成就させるのです。
甲田光雄「断食・少食健康法─宗教・医学一体論」より