産業カウンセラー試験にやっと合格できまして

三度目の正直でやっと合格できた産業カウンセラー試験。 一発合格した人にくらべて何倍も傾聴のトレーニングを積むことができてよかったと前向きに捉え、早く一人前のカウンセラーになれるように精進します。 忘れないうちに試験対策などを。

面接で落とされるのっていやですよね

わたし55歳ですから、
面接なんて、
入社希望の学生さん相手に社長として面接することはあっても、
自分が受ける側というのはほとんどありません。
ましてや面接だけで他人に合否判定される場面なんて、
10年以上‥‥どころか、
この20年間で一度もありませんでした。
いやですねー、
はっきりいって。
ネガティブな言葉は使いたくないもんですが、
ここでは正直に使いましょう。
いやです。
人格を傷つけられた気がして、
もう永遠に無理じゃないかっていうくらい、
いやな気分がふくらんだりもするもんです。
あーいやだいやだ。
だから試験に落ちたとき、
いっしょに受験した仲間のグループからも離れて、
コミュニケーション断ちました。
みんなとLINEでつながってましたけど、
一切発言しないし、お疲れさん会にも出ない。
受験仲間から見たら消息不明の隠遁生活みたいなもんですが、
試験なんかなかったことにして感情を消す。
いやな気分をまき散らしたくなかったし、
まき散らせばそれだけ立ち直りが遅くなるし、
心がよけいに汚れる。
自分の存在を消すといったほうが近いかもしれませんが、
とにかくその時点でカウンセラー志願兵としてのわたしはフリーズしたんですね。

くらーくてながーいトンネル3年間

このブログで、
産業カウンセラー養成講座がはじまりましてっていう記事を書いたのは‥‥
2015年4月15日、
てことはあれから3年──
長かったですね。
一発で合格していたら1年で終わっていたはずなんですけども、
学科には受かったものの実技がダメで不合格
新たに国家資格となったキャリアコンサルタントを経過措置で速攻受験するチャンスも逃し、
最短で合格するもくろみは崩れてしまいました。
産業カウンセラー試験の合格率は、
学科、実技とも約7割と緩いですから、
いっしょに勉強していた仲間のグループでも過半数が一発合格です。
ただ、どこがどんなふうにできたらよかったのか、どこで減点されてるのか、
合否のポイントがよくわからないだけに、
不合格の通知を見てからしばらくは、がっくり気落ちしてつらいんですよねー。
養成講座の受講姿勢等によって、
はじめから実技試験が免除されるという、
しかもそれがどこでどのように判定されるのか一切わからないという、
いささか不可解な制度もあるんですが、
とにかく、
どこをどのように直せば点数が上がるかわからなければ対策のしようがない。
その点、キャリアコンサルタント試験の場合は、
さすが国家試験だけあって、学科の試験問題も公開されますし、
得点もわかります。
実技(論述と面接がある)のほうも、
論述試験は点数がわかりますし、
面接の中に採点項目が「主訴・問題の把握」「具体的展開」
「傾聴」「将来展望」‥‥
のように5つあって、
それぞれがA~Cの3段階で示された上で合計点数がわかります。
つまり、
合格できなかったとしても、
なぜ、どこがどうで不合格だったか、
あるていどの納得性はあるわけです。
それに対して産業カウンセラー試験は点数もわからないし、
どこが減点だったのか、
すべて自分で思い出しながら振りかえるしかありません。
精神衛生上、
実にこれがよろしくない。
運が悪かった
と、
試験官のせいにしたり、
ペアを組んだ相手のせいにしたり、
なかなか素直に結果を受け入れることができません。
そしてまた1年‥‥、
また1年‥‥
つ、ら、いー(T△T)
気を紛らわせるために‥‥というわけではないですが、
国家資格キャリアコンサルタントの試験を受けて先に合格してしまいました。
そちらも、
学科は1回でパスしたものの実技は不合格。
なんですが、
試験が年に3回もあるから不合格でもダメージは小さいんですね。
不合格の通知を受け取ってから2か月もたたないうちに次の試験で、
2回めの受験で合格できました。

これから実技試験を受けられる方へ

わずか8分のセッション、
ふりかえりやその他の口頭諮問を入れても13分の言動で、
いったい何がわかるというんでしょう??
試験官はどこを見ているんでしょう?
>Aさんが合格で、Bさんが不合格?
>え?なんで?

客観的に2人のスキルを見くらべてみると、
Aさんには申し訳ないが、
違和感が湧いてきてしまうことがあります。
当のAさん自身も
>Bさんが落ちて、
>なんでわたしみたいなのが合格かわかんない。

とか言ってるし。
あとあじ

よくない試験です。
よく耳にしたグチは、
>相手のクライエント役とかみあわなくて、
>何を言ってるかわからなかった。

とか、
>まさか試験官が、
>あんな質問をしてくるとは思わなかった。

とか。
(わたしは1回めも2回めもペアになった相手の方は話しやすく、
なんの問題もありませんでしたが不合格。
しいていうなら3回めの相手の感情表現が単調で、
同じところを堂々めぐりしてしまって戸惑ったんですが、
客観視できていたのでふりかえりでフォローしました。)

心のスペシャリストを目指そうというわたしたちですから、
協会批判めいたことをブチュブチュ言うのはやめましょうよ。
自分が取りたい資格の価値を自ら下げるような心があれば、
エネルギーの減損が大きいのはあたりまえ。
その姿勢が試験官の目から透けて見えたとしたら、
いい点数もらえるわけないですよね。
今年度、
協会の主催する5日間みっちりの試験対策講座にフル参加して、
いろんな先生からそれぞれちがった切り口のアドバイスをいただきまして、
それらを分析しているうちに気づいたことがあります。
そりゃやっぱり試験なんだから、
試験官の主観がなるべく入りこまないように、
採点のガイドラインのようなものが明確にあるはずで、
もちろんそれは客観的で絶対的な基準であるべきなんだから、
答はテキストにはっきり書いてあるはずだということ。
すると、
試験官の待っている、
聞きたがっている言葉がわかったような気がしたんです。
このボキャブラリーを使うと点がもらえるんじゃないの‥‥?
みたいなポイントがわかったような。
もちろんこれは気のせいでしょうけども、
>あっ、
>きっとこれだ!

と、
確信をもつことができて、
どんな変化球が飛んできても対応できる自信がついた。
具体的にいうと、
産業カウンセラーの役割が書いてある章ですね。
  • 産業カウンセリングの目的
  • 産業カウンセリングの対象
  • 産業カウンセラーに求められる姿勢
  • 産業カウンセラーに必要な条件

このあたりを、
>わたしはしっかりわきまえていますよ

アピールしていく。
カウンセリングのセッションがどうであっても、
すべてに共通して重要な前提が書いてあるんですからね。
ここらへんに出てくる文言を入れこんで、
試験官の質問への回答をつくりこんでおけばいいんじゃないでしょうか。
ふりかえり(良かった点とイマイチだった点)を少しでも落ちついて話せるように、
実習でよく出くわすパターンをすべて整理して、
どういうパターンに自分は弱いか、動揺するか、
うまく応対できるところ、不十分になりがちなケース、等も整理して、
サンプル文例を1分にまとめたものを10パターン以上つくってボイスレコーダに入れて、
自分でくりかえし聞いて感触をつかむようにしました。
クライエントが、
感情表現なしで事柄ばかり一方的に話し続けるうちに時間がどんどんすぎるパターン、
ひとつの感情を何回もくりかえすばかりで堂々めぐりに陥ってしまうパターン、
沈黙が長引いてどこまで待ったらいいかわからないパターン、
自分の言ったことに妙に納得して話が途切れてしまうパターン、
話のつじつまが合わなくて理解できないパターン、等々。
いちばんよくあるパターンが出たら確実に基本形どおりに話せるように、
自分なりの勝ちパターンもつくりました。
たとえば──
>クライエントの感情の中心は×××で、
>これについて深く悩んでおられます。
>が、それに対して○○○したいという前向きな感情もあり、
>ふたつの相対する感情のあいだで揺れ動く気持ちを聞いてもらいたいのだと思います。

──というような具合です。
クライエントが問題を抱えて悩んでいる、
そのネガティブな想いの反対側には、
問題をどうにかしてほしい(したい)、もっとよくなりたい、
ポジティブなほうへ向かいたいという願望があります。
この互いに拮抗する2つの感情にフォーカスしていくと、
クライエントの感情がよく見えるようになり、
迷子にならずに寄り添えることが多かったからです。
事柄が変わっても感情の構造は同じなので、
2つの感情のせめぎあいが見えてたら1分にまとめた作文がサッとつくれる。
不合格だった2回の試験では、
どっかで質問や要約を入れたほうがいいんだろうかと気負ってスベりましたけど、
3回めの試験では何もするつもりがないというくらいの自然体。
>簡単受容だけで終わってしまってもぜんぜんいいんですよ
っていう
ある先生のアドバイスにずいぶん助けられました。
とにかくセッション数をたくさん踏むことで、
イレギュラーな展開でも動揺しない自信をつける。
実際にこれで点数が取れたかどうかはわかりませんが、
自信をもって本番に臨めるかどうかが大切ですから。
不合格レベルの実力を磨くには量稽古が欠かせませんが、
ひとりではできないわけですから、
やはり仲間に恵まれたことがいちばんの勝因だったと感じます。
和気あいあいと楽しいことがいいことだとはかぎりません。
話しにくい、やりにくい、なんかムカつく‥‥、
そんな相手ほどトレーニングには向いているといえるわけですから、
クセのあるメンバーが多くいればいるほどラッキーですね。

まわりを合格させる影響力

先日、
息子が中学受験で第一志望校に合格した話を書きました。
親子そろって正月返上して試験に挑んだわけですが、
カウンセリングの学びと、
息子の合格がつながっている気がしてなりません。
モチベーションを高く保つためには、
観念要素の更改法を修得させるのがいちばんいいんですが、
それをどう伝えるか、
押しつけにならないように教え、
自分から積極的に(=自発的に)努力するようになるにはどうしたらいいか。
男親にありがちな、
問題解決型の思考しかもちあわせてなければ、
そこはそうしろ、ここはこうだ、
とにかくオレのいうとおりにすればいいから調の教え方に傾いたはずです。
が、
そうはならなかった。
いっしょに風呂に入る回数が増えて、
受験について話す時間もずいぶんあったけど、
そのほとんどは「へーっ」とか「ふーん」とか、
適当に流しているだけのような簡単受容
>あー、そうなんか。
>うんうん。


くりかえしでした。
>ここはカウンセリングだぞ、
>よし、傾聴だ。

みたいな意図をはたらかせたことはありませんが、
ちょっとずつでも染みついていくのが習慣ですから、
無意識に息子がわたしのカウンセリングの練習台になってくれたようでもあり、
わたしは息子のストレスを自然に緩和していたと思います。
>そういうのはやめたほうがええな
みたいに、
断定的に決めつける言い方は口癖になってますから、
まだゼロにすることはできてません。
勢いでやってしまうし、
意図的に自分に許すことも多いです。
しかし準拠枠に気づく割合は年々高まってきていますから、
気づいたぶんだけ確実に抑制が効いてます。
風呂に入るまえの息子の表情と、
湯上がりのそれ。
>なんかわかったっ!
>またがんばれる!


ていう信号を発してくれたときの嬉しさ。
わたしに言われたことを理解したというんじゃなしに、
自分のやってることや自分の気持ちの中に、
何か別の角度から見た新しいものに気づいたっていう感じ。
頭でわかったことと心でわかったことはちがうわけで、
このサインを見逃さずに捉えて大げさに喜ぶのはいいですね。
話を聴いただけなんだけれども最大の励ましができた

ていう感覚が、
だんだんリアルにつかめるようになると、
他のクライエントにも再現できる。
カウンセリングっていうお仕事、
あんまり儲かりそうな感じはしませんがそれだけに、
尊いなと思います。