ゴールデンウィークっぽく、
のんきな話題を──
いきなりですが算数の問題にチャレンジしてみてください。
小学5年の問題ですから、
酔っぱらっててもだいじょうぶ(≧m≦)?
‥‥でしょうね。
いきますよ。
4,7,10,13‥‥
のように、
あるきまりにしたがって数字が並んでいます。
問題1)
この並びの左から12番めにくる数は____です。
問題2)
この12個の数字をぜんぶ足すと____です。
問題3)
1000は左から数えて____番めです。
どうです?
めんどうくさがらずにやってみてください。
これは、
娘のナツハ(仮名)が、
わたしに挑んできた問題です。
実は以前、
娘にきかれた理科と社会の問題が、
ぜんぜんわからなかった・゚゚・(×_×)・゚゚・。
ので
>国語と算数だったらぜったいわかるよ。
>ナツハが解けた問題ならぜーんぶ解ける。
>おまえが6年生になっても負けへんから” “(/*^^*)/
って煽ってやったんです。
そしたらこんなんを出してきたんですね。
わたしは大学は文系でしたが、
数学はいちばん得意でしたし、
腐ってもプログラマですから、
こんなんチョロいもんです。
ところが!
後日この問題を
何人かまわりの大人(20~30代の大卒女子)で試してみたところ、
たまたまだとは思うんですが、
誰もできなかったんですなぁ~ε=( ̄。 ̄;)
ていうか、
とりあえず答は出せたし、
まちがってはいなかったけど、
やり方がきれいじゃない‥‥というか、
5年の娘に鼻で笑われるような解き方だったわけです。
ほんとうはもう1問、
ちょっとむずかしいのがあるんですけど、
ひとりもそこまで進めなかった。
おいおいしっかりせえよ‥‥(x_x;)
上の問題をちょっと応用した感じなんですけど、
あともう1問、
みなさんはこれ、
すんなり解けますかね?
問題4)
7×7×7×7‥‥
のように、7を何回もかけていき、
10回めに出た答を10で割った余りは____です。
‥‥う~ん、
なかなかの難問じゃないですか?
あの‥‥
電卓なんて使っちゃダメですよ。
っていうか、
ほんまにこんなの小学校5年でやってんの?って思います。
娘にきいたら、
学校ではやらないけど塾でやるんですって。
娘はわたしに似て、
いまのところけっこう勉強できてます。
(わたしよりも嫁に似た息子は、
平均以下で苦しんでいるようですが‥‥。)
娘がこの問題を、
どうやって解いたのか、
気持ちよく一発で解けたのか解けなかったのか、
そこは教えてくれなかったんですが、
でもこの問題が、
小学校5年生のレベルであることは事実。
となると、
できる人はこれを、
大人なら解けてあたりまえ
と思いがち。
>え~っ、うそぉ~っ!
>おまえ、こんなんもわからんの??
>小学校5年の問題やでぇ~!!
>いったい何分かかってんの!?
>アホちゃう??
とかなんとか調子に乗って、
飲み屋のお姉ちゃんに嫌われてしまうパターン‥‥
ほど酷くないとしても、
自分に簡単にできることは、
他人も同じようにできてあたりまえだと思いこむ。
これが恐ろしい。
仕事のできる人が昇進してリーダーになり、
はじめて部下をもったとき、
最大の落とし穴がこれだと言ってもいい。
>なんでわからないんだ!?
>どうしてこんなミスをするんだ!?
なんで!?どうして!?なんで!?どうして‥‥!?
こういうタイプの人は、
自分の好きな食べ物はきっと他人も好きなんだと思いこみ、
この味がわからないなんておかしいんじゃないかと訝ります。
自分の好きな音楽はきっと他人も好きにちがいないと思いこむんです。
決めつけ
の激しい人に共通する特徴です。
わたしもかなりこの傾向が強かったのでわかるんですけど、
部下が心に重傷を負って潰れてしまうのはたいていこれが原因です。
理解と忍耐のある部下のおかげで
わたしは少しずつ治療の効果があらわれてきましたが、
わたしのゲノムを引き継いだ娘はどうでしょう?
経過観察が必要です ε=( ̄。 ̄;)
これくらいわかってくれてるだろう病
とでも命名すべき病気が、
あらゆる組織のリーダーに蔓延しています。
中小企業経営者の罹患率は特に高いとか(ё_ё)
気をつけましょうね。
あなたは仕事ができるからリーダーになりました。
あなたがリーダーになったとき、
そこにいる部下は、
素質も経験も自分より低いんです。
つまりあなたから見て、
まわりの人間はボンクラなのがあたりまえ。
ひどく苦手なことがあったり、
大きなコンプレックスがあったりして、
つぶされそうになりながら育ったあなたは、
ある一面では人情味あふれたリーダーになる素地があります。
できない部下の気持ちがわかるからですね。
しかし逆の一面として、
よけい激しく他人を貶める凶暴性が備わっている可能性もありますから、
よほど気をつけてください。
自分と他人は絶望的なほどちがうんです。
ひとつやふたつの才能で決して思い上がらず、
まずはじめに愛。
部下とのコミュニケーションは
愛からはじめるように心がけたいですね。
まったく何の才能にも恵まれず、
バカにされて笑われて、
根っからどんくさいリーダーのあなた。
おめでとうございますb(⌒o⌒)d
では、
これから小学5年の算数問題、
いっしょに解いてみましょう。
▼問題1:
数字が3ずつ増えてます。
それだけのことですよね。
3ずつ足していけばいいので、
4,7,10,13,16,19‥‥
てなぐあいに12番めまで書いていっても知れてます。
問題3がなければ、
そっちのほうが早いかもしれません。
4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37
答は37です。
ただし、
娘に笑われないためには、
これではいけません。
2番めは4より3増えている。
3番めは4より6増えている。
4番めは4より9増えている。
:
と
書いてみて、
n番めはn-1に3をかけた数が4より増えている
‥‥みたいな法則性に気がつくと
(n-1)*3+4
という式ができますので、
nに12を代入すると答は37ですね。
さてこの問題、親切なサイト読者の方から誤植の指摘をいただきまして、そのついでに、式は
n×3+1
のほうが簡単だというご意見までちょうだいしました。ありがとうございます。
数字の並びを眺めただけで、あるいは眺めるまでもなく、こっちの式が浮かんだ人は、こっちのほうがもちろん速いし綺麗ですね。かしこいなあ。すばらしいです。
ほんじゃ、どうやったらそこに気づけるようになるんでしょうね?‥‥っていうのがここから下、この投稿のテーマなんですよね。(追記:2016,04,05)
▼問題2:
12個の数字、
4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37
を足せばいいわけですから、
じゃあ電卓‥‥
じゃないですよ。
4+7+10+13+16‥‥
じゃないです。
はじっこの数字に注目してください。
いちばん小さい4といちばん大きい37を足して41。
2番めに小さい7と2番めに大きい34を足しても41。
3番めの10と31を足しても41。
つまり、
足したら41になる数字の組み合わせが6個。
これがわかると答は暗算でも出せますね。
41×6=246
答は246です。
あーなるほどL(・o・)」
って思いますよね。
わかった人、
なんでわかったんですか?
過去にどっかでいちど
やったことあるからわかったんじゃないですか。
はじめから一発でパッとわかる人っていうのは、
ほんとうに頭がいいんだなと思いますけど、
組織に必要なのは
そういう頭のよさじゃない。
>きっとなんかうまいやり方があるんだな。
と、
少なくともそこに気づいて、
うまいやり方に気づくまであきらめない。
その姿勢をもっといてほしいです。
▼問題3:
1000になるまで3を足し続ける‥‥
っていうのでもかまいません。
けれど幸運なことに
n番めの数字が
(n-1)*3+4
という式であらわされることがわかってますので
(n-1)*3+4=1000
の式を解けばいいことになります。
n=(1000-4)/3+1
n=333
答は333ですね。
▼問題4:
7×7=49
49×7=343
343×7=2401
;
みたいに、
まじめに地道に7をかけていくのでもいいんですが、
また電卓が必要になってしまいますね。
求められているのは10で割った余りですから、
はじめから1の位だけ見てたらいい‥‥ということがわかればいいんですね。
それなら暗算でできます。
1の位の変化を追いかけると──
9,3,1,7,9‥‥
おっと、
5番めに9が再び出てきました。
てことは、
あとは同じ数字が循環すると気づくわけです。
9,3,1,7という4つの数字がくりかえす。
2巡めで8番めまで進みます。
じゃあ10番めは3ですね。
答は3です。
100番めなら?
4で割り切れますから7ですよね。
──というふうに、
なにかしらの手順に気づくと、
答に到達するのが早くなる。
気づかなければ遅くなる。
もしくは、
いつまでたっても終わらない。
この意味においては、
仕事も同じです。
n=(1000-4)/3+1
の式がわかったあなたは、
今日の仕事は早く終わったかもしれませんが、
きっと別の仕事では、
4+7+10+13+16+19+22+25+28‥‥
みたいな足し算を延々と続けています。
最短で最適な解法にいつも気づくのはその道のプロ。
あるいは天才と呼ばれる人たち。
ふつうは努力するんです。
訓練して訓練して、
試行錯誤をくりかえす。
気づかなかったことに気づけるようになるまでね。
そこが仕事のおもしろみそのものでもあるわけなんですが、
自分が得意でないことならプロに任せる。
わたしはたまたま算数が得意だった。
他にはなんの取り柄もないが、
最短で答にたどりつく式をつくるのだけは得意だった。
だからプロになった。
その方法をあなたに教えて、
あなたから報酬をいただいて生計を立てている。
算数が得意でないあなたは、
なにか別の分野で得意なことがある。
だから算数の他は何もできないわたしは、
あなたに報酬を払ってやってもらうことがある。
かれこれ20年以上、
つまらない足し算でみなさんがよけいな時間を食わなくてもすむように、
わたしは式をつくってあげている。
答を教えてあげることもあれば、
式のつくりかたを教えてあげることもある。
算数で喜んでもらえるならお安い御用だよ。
みんなが解けるんじゃつまらないけど、
わからない人がいっぱいいるってことは、
自分は得意だってことなんだし、
解き方が見つかったときって快感だし、
そんなんで喜んでもらえるならずーっと算数してたっていい。
算数はわたしに任せて、
あなたはあなたの得意なところで稼いでくれたらいい。
小学生のころ‥‥
なんて、
めったに思い出しませんけど、
あったんですよねぇ。
わたしにもあなたにも‥‥ね。
あなたの得意なこと、好きなこと、
何でしたか。
いま、
社会のお役に立てることって何なんでしょうね。
そんなことに思いを巡らす連休‥‥なんて、
いかがでしょうね。