カッカしたとき

「怒り」は人生において最高に厄介な感情のひとつ。 どうすれば腹が立たないか、腹が立ってしまったとき、どうしたら怒りを撒き散らさずにおられるか。 怒りっぽい人は必読。 スーパー短気人間が20年以上かかって見つけた感情コントロールの入門編をご紹介。


怒りは光の速さでやってきます。
プチッ
それは
一瞬で起こります。
刺激に対する反射的な反応ですから、
>はい、
>ここで深呼吸。

なんて不可能。
あまり気が短くない人の無責任なアドバイスです。
そんなこと思うヒマもスキもない。
心がければ心がけるほど傷が深くなるだけです。
カーッとなったら止まらない。
それが短気。
>なんでそんなことで怒るのよ?
>バカじゃないの?


責められたところでどうしようもない。
ますます火に油を注ぐだけ。
プチプチッ‥‥
怒りっぽい人の気持ちはほんとうのところ、
同じように怒りっぽい人にしかわかりません。
いや、
怒りっぽい者同士でも、
カッとなるポイントがちがうからやっぱりわからないのかも。
孤独です。
そしてやっぱりまた今日も‥‥
ブチッ!!
┐(-。-;)┌
怒りへの対処法には
タイミングごとに3つの段階があります──
  1. はじめから腹が立ちにくくするためにふだんから心の掃除を入念にする
  2. いままさに腹が立ちそうという現場で神経反射をコントロールする
  3. 腹が立ってしまった後できるかぎり早く怒りを消滅させて次の波を防ぐ

──です。
部屋にガスが充満していても、
それだけでは爆発は起こりません。
マッチを擦っただけでも、
それだけでは爆発は起こりません。
ガスマッチ
原因はその両方にあるのです。
部屋にガスが充満していることがわかっているなら、
そっちを優先して解決しようとするのは自然なことです。
どんどん換気してガスを薄めたらいいでしょう。
意識の向けどころはいつも自分自身の想念です。
ベースにある原因は
ネガティブな想念
なのです。
「できないかもしれない」「うまくいかない」「おかしい」
「やばい」「このままではいけない」
‥‥、
言葉にすればいろいろあるようでも根っこはひとつ。
「足りない」あるいは「足りなくなる」恐れがあることを疑ってください。
いつでも
怒りは恐れから生まれる
のです。
ネガティブな想念は、
裏にあり、強くあり、ずっとあります。
こそが気づきのチャンスです。
ネガティブな想念に従えば──つまり腹を立ててしまっただけで──
そのネガティブ性が強められるのですから要注意です。
換気がうまくできるようになってきたら、
こんどは火花も見張るんです。
いくらガスが薄まったとしても、
マッチを擦ったら爆発が起こります。
たとえ爆発が小さかったとしても、
カーペットに燃え移った火が燃え広がってしまうでしょう。
きっかけはいつも、ほんのささいな、
一瞬のできごとです。
「チェッ」とか「クソッ」っていう
舌打ちひとつでも厳しく見張るんです。
以前なら見逃していた反射的な反応にも、
感じる能力がアップすればこれからは気がつくでしょう。
爆発が起きても火が燃え広がるのを防ぐ手段として
神経反射の調節法というのがあるんですが、
これについてはまた別のところで説明します。
日常のちょっとしたことでムッとしたりカッカしたり、
不快な感情が起こったときというのは、
実は気づきのチャンスなんですよね。
以前、
パラドキシカルな対処法の中で紹介しましたが
いちばん思いどおりにならないときが、
いちばん大きな気づきのチャンス

なんです。
手放すべき価値観がそこにある
ってことを
教えてくれているようなもんじゃないですか。
誰かに何かを言われて腹が立ったとして、
相手がどうだから
とか
言い方がどうだから
というほうに意識が向いてしまうとややこしいことになるんですね。
おまけに、
>なんでオレはまた
>つまらないことで腹を立ててしまったんだろう‥‥

とか
>どうしてあんなひどい言い方をしてしまったのか。
などと、
うじうじ気に病むってことは、
その不愉快な感情と自分とがいつまでもくっついて一体化してしまってるってことで、
それは執着以外の何物でもないわけなんですねぇ。
不快な気分になったら‥‥
なんでそんな気分になったか、
まずその理由に意識を向けてみます。
原因は相手にあるのではなく
100%自分。
自分の想いにある

気づきましょう。
そして、
そんな気分を抱かせる元になっている価値観を点検してみます。
大事にしたい価値観ならしがみついていてもいいんですけど、
たいていは不要な価値観のはずだから、
それはさっさと手放す。
とりあえず、
たったこれだけのことなんですがね。
だったら
感情のほうはあるがまま
っていうのも理解していただけるのではないかと。
ここで、
価値観を手放す
なんて表現が、
またわかりにくかったりするわけですけども、
まぁ要するに、
手っとり早くブチ壊すには、
いままで信じていたのと反対の価値観に基づいて行動するのがよろしいです。
>やりかけの仕事をほうりだして
>プライベートな用事を優先するなんて
>とんでもないやつだ。

という想いがあったとしたら‥‥
>ま、
>納期にまにあわないと決まったもんでもないし、
>あしたできることならあしたにまわしてもいいのかもなぁ。
>よし、
>ワシも今日は久しぶりに飲みに行こ。

‥‥てな具合に
ひっくりかえしてしまう。
つまりこれは、
これまでと違う行動パターンを選択するチャンス
でもあるわけなんですね。
そう考えると毎日がチャンスだらけで楽しくないですか?
──はい、今回は以上。
これはまだまだ入門編、
ガス抜きの一例です。
怒りとの気長なつきあいはまだまだ続くんですなぁb(⌒o⌒)d