お金は必要×夢は不要

独立のために何が必要か。お金はなくても夢さえあればという人もいるだろう。 が、ここでは夢なんかいらないという話をする。何が真実で何がごまかしなのか。 正反対な2つのアドバイスに惑わされないために、自己のアンビバレンスに向きあおう。


だいぶまえにお金は不要って話を書いた。
したくない仕事はしなくていい‥‥と。
ありがたいことにその投稿は、
すごくたくさんの方がずーっと読んでくださっている。
ありがとうございます。
でも今日は
それと正反対のことを言う。
お金は必要ですよ‥‥と。
うん、
でもそれってあたりまえすぎて、
オッサン何を寝ぼけてけつかるねんって叱られそうだ。
が、
ブレているわけじゃない。
物事を教える側っていうのは往々にして、
同じ相手でさえ正反対のアドバイスを与えることがある。
キミたちも会社で、
上司からまったく正反対の指示を出されてムカついたことがあるだろう。
きのうは
>焦らなくていいよ。
>のんびり取り組んだらいいんだよ。

って言ってたくせに、
きょうは朝からいきなり
>おい、なにやってんだ!
>ぼーっとしてないでさっさと用意しろ!


怒鳴られる。
ま、
その上司はほんとうにいい加減ででたらめで、
ちゃらんぽらんでブレまくりなのかもしれないが、
そうでない場合もあるってことを言いたいわけだ。
キクゾウおじさんは常日頃、
そこのところを可能なかぎり意識し、
受け手がいまどんな状態にあるかを見極めながら使い分ける努力をしている。
それでも部下にはときどき、
方針が一貫してないと責められるくらいだから、
伝え方っていうのはつくづくむずかしいもんなんだ。
キミも
部下をもったら同じ思いをするかもしれない。
たとえばこのサイトは基本姿勢として
執着するな
というアドバイスを発しているのだが、
若いキミたちを相手にするときは、
執着しろ
って言いたいときがある。
どっちがウソでどっちがホントということじゃなく、
そのときにはそのアドバイスがいちばんいいと信じてそう言う。
真理を脇へ置いてでも言う。
方便として言ったにすぎないとしても、
そのときはそれがわたしのベスト。
この文章は20~30代の人に向けて書いてます
まえに「お金は不要」って言ったのもウソじゃない。
めちゃめちゃほんとう。
ただそれを、
思いっきり誤解する若ゾウが多すぎたので、
キクゾウおじさんは少し悲しんだ。
できればもう1回ちゃんと読んでほしいんだが、
あれは
>お金が必要だと強く思いこみすぎているために、
>かえってお金の苦労を増やしてしまっているタイプの人たちのための、
>パラドキシカルな対処法


と書いてあるね。
>がんばれ社長!

言われ続けてお疲れの経営者を見ていると、
>がんばるな社長!

言いたくなる。
それといっしょ。
ほんとうはお金で苦労する必要なんてないんですよと伝えたいわけだ。
なのに、
お金の苦労なんかハナっから知らん若ゾウが
>わたしはお金にこだわりありません。
>これまでもボランティア活動に真剣に取り組んできました。
>お金なんかなくても充実した人生です。
>仕事が覚えられたらそれでいいので、
>給料が安くてもちっともかまいません。
>とにかく将来独立するのがボクの夢なんです。
>だから
>ここで働かせていただけませんか。

みたいなことを
いけしゃあしゃあと言ってくる。
あのね、
そういう意味じゃないだろ。
ボランティア活動は立派ですよ。
しかしね、
>お金にこだわりがないからボランティア
ってね、
それなに?
お金ってどうやって稼ぐもんなのか、
わかって言ってるならいいんだけどもね。
そんなことすら知ろうとしないで
独立とか
なんていう言葉を軽々しく口にするなよ。
それだったらよっぽど
>いっぱいカネ欲しいんでいっぱい働きます!
って言ってくれたほうが若者らしくて健全だ。
キクゾウおじさんは、
キミらの使うなんていう言葉、
申し訳ないけどぜんぜん信じてない。
ちょっとやってみてダメだったらすぐにペシャンコ。
心が折れそうだのなんだのとやかましい。
が純粋でかわいいのは、
せいぜい中学校を卒業するあたりまでで、
それをすぎると早くも将来不安ってやつが混じってきて歪みはじめる。
ちがうか。
自分が小学生か中学生のころに見たを、
いまもちゃんと覚えていて大事にしてるか?
世のため人のためっていうのはもちろん大切。
でもそんなこと
20代で思うほうが立派すぎて不自然だな。
もっとギトギトした感情のほうがよっぽど信用できるわ。
いま自分が置かれている境遇に、
腹ワタが煮えくりかえるほどの不満はないのか?
殺したいヤツとかいないの?
希望もなくていい。
ただひたすら、
いまの生活がイヤでイヤで耐えられないから独立します
──みたいな。
夫のDVから逃れたい一心で‥‥
とか、
子どものころイジメにあった傷を消したくて‥‥
とか。
そんなんでいいじゃないか。
っていうか、
そんなんのほうがいい。
本田健さんの本とかDVDとかいっぱい買って勉強して、
幸せな小金持ちふうに独立するっていうのもいいかしらんけども、
そんな軽やかな話にはキクゾウの心はときめかない。
もっとキナくさい独立を歓迎したい。
ポコポコ自殺するやつはいっぱいいるのに、
死ぬくらいなら死ぬ気で独立してみろよって言いたい。
国が独立するときだって、
血なまぐさい戦闘がつきものでしょ。
クーデターが起きたり大統領の命が狙われて亡命したり。
否定のエネルギーがしばしば世の中をくつがえす。
うまくいかない確率は高いが、
はじめはそれでもいいかなと思う。
心はあとからいくらでも浄化できるから
いいでしょ、そんなんで。
きれいごとはぜんぶ忘れて、
お金に徹底的にこだわってほしい。
あぶく銭じゃなしに、
なが~くず~っと入ってくるお金にこだわってほしい。
そうすると市場原理ってもんが最高の先生となって
いろんなことを教えてくれる。
お金は、
キミが自力で生きていくために必要な武器。
自立に踏み出す勇気を補強するために、
最初のうちはお金が必要。
甘えを断ち切るために必要。
しかしやがてお金は要らなくなる。
お金のことなんか意識しなくても、
それはいつでもあるものになる。
いまの自分を取り囲んでいるすべての理不尽を、
ぜんぶブッ壊すつもりならお金が必要
いや、
もっと正確に言葉を使うなら、
お金を手に入れるちから

必要だ。
もしあなたに貧乏の経験がないなら、
それはすばらしいこと。
親の期待どおり、
そこそこいい大学を出て、
いい会社に就職して、
つりあう相手と結婚して、
計画どおりの安定を手に入れた。
でもそんなキミが手に入れていないのは、
お金を手に入れるちからではないのか。
不安定な境遇に対して、
ばくぜんとあこがれることがあるとすれば、
それは不安定を恐れていることの裏返し。
せっかく手に入れた安定をすべて捨てて、
なにもないところから自分を試してみたい衝動がどこかにありはしないか。
お金は絶対に必要だろうがもうそんなものにしがみつきたくない。
不安定に立ち向かう勇気を試したい。
それは、
しあわせなキミたちに一生つきまとうアンビバレンスだ。
安定をむさぼり、
追いまわし続けてきたあげく、
不安定という名の亡霊がいつまでも立ち去らないことに気づき、
あてがわれた安定にうんざりしかかっているキミがいる。
アンビバレントな魂に必要なのは、
自分が生きて働いて稼いでいる実感のあるお金だ。
安定のためのお金ではない。
ついでに言うとくと、
独立するのになんてもんはいらん。
理念もいらん。
創業社長に必要なのは、
利益を生むビジネスモデルだけ。
とにかくが大切ですよ──なんてね、
いまでこそキクゾウも相手によってはそんな美しい励ましを口にするけど、
ホンネのところではどうだろうか。
なまじっかなんて見ないほうがいい

思ってるかもよ。
だってキミらの語るなんて、
少なく見積もっても8割は現実逃避の口実に使われているだけだろ。
先に成功している人の真似をしてっぽいものを語れば、
まわりが感動してくれて協力者が現れると勘ちがいしている。
でも現実にはわりと冷たい反応が返ってくるから、
たちまち心がポキポキポッキーに折れまくり。
だったらはじめっからなんか見るなっつーの。
理解されようがされよまいが、
協力してもらえようがもらえまいが、
やると決めたことをやれっつーの。
ほんとうに大切なのはじゃなく、
を実現する途中で体験する挫折のほうだろ。
そしてまたへこたれずに再チャレンジする姿勢だ。
なんかどうでもいいからガツガツ行け。
そんなもんなしでやってみろって。
>僕には大きながあるから貧乏なんて平気です。
っていうタイプ、
お金のない状態をでごまかしてるだけじゃないの?
こんな男と所帯をもったがために、
気の毒なことになってる女性を何人か知ってます。
あのな、
お金がなければ不安になるのはあたりまえ。
それはとても正常な反応。
不安で不安で気が狂いそうになるのがノーマル。
でもそれこそが最高の学び。
真の安心は不安からしか学べない
しつこくしぶとく、
心を灰色に曇らせる不安‥‥。
長くそいつとつきあうことからしか学べない。
逃げてごかましてたら一生つきまとわれる。
保証書付の安定を握ったまま、
ちょっとずつステータスを上げていこうなんて、
そんな姑息な独立には真の喜びはない。
そう思わないかな?
ああ‥‥
そういえば、
この話とは関係ないのですが‥‥
「夢は夜ひらく」

藤圭子さんが1週間まえに亡くなられました。
飛び降り自殺。
このサイトのタイトル
「人間活動に専念します。」は、
歌手の宇多田ヒカルさんの使った言葉をパクったもの。
その宇多田ヒカルさんの母親が藤圭子さん。
平成のスーパースターを娘にもつ昭和のスーパースターです。
美しくてお金持ちで才能があって有名‥‥
でも、
長いあいだ精神の病に苦しまれてたんですってね。
あるときは
人生は長い
と言い、
またあるときは
人生は短い
と言います。
あるときは
夢がいちばん大切
と言い、
またあるときは
夢なんかいらない
と言います。
お金は不要だと言うこともあれば必要だと言うこともある。
でも、
どんなときでも変えないアドバイスがあります。
それは感謝
生きていることに感謝しましょう。
何事があろうと心が引きずられないことに感謝します。
藤圭子さんのご冥福を──。
目を見開いたまま
死んだのさ
脳ははたらかない
神経もとぎれとぎれ
からだは冷えて硬くなった
毎日まいにち
僕の友だちの
芝居を見ていた
題は「罪と罪」
魂も抜けているというのに
一心に見つめてた
みんな人形
ひとりよがり人形
目を見開いたまま
死んだのさ
まばたきもしない
だから何から何まで目に入り
そしたら僕
発芽しちゃったのさ
目を見開いたまま
死んだんだ

俺の目を見てみなよ
何もうつってないだろ
なあわかるだろ
俺がどうやって生きてきたか
俺の寝顔を見てみなよ
なあわかるだろ
わかるだろ?
俺がどんな道を歩いてきたか
くつも新しいのに替えて
この目でちゃんと前を見て
俺が考えて歩きたいのさ
このままじゃ悔いが残るから
ほら俺の
泥まみれのくつを見てみなよ
なあわかるだろ
楽じゃなかった
少しも楽じゃなかった
なあわかるだろ
俺は俺をこれ以上責めない
俺の目を見てみなよ
何もうつってない
俺は何て言ってたか
俺の感情はどこなのか
あんたも俺をあやつったひとりなのか
かつて俺が毒を飲んだ日
俺は思った生きるんだと
誰かがクスクスと
笑うのを聞いたとき
さあ俺の
泥まみれのくつを見なよ
ばさばさの心を見なよ
なあわかるだろ
こいつが俺の言い分だって
楽じゃなかった
俺たちは忙しすぎた

じっとしていることがむずかしいんだな
ひとりでいることがむずかしいんだな
おいおまえ
どこへ出かけるんだ
医者が嫌いなおまえ
クスリが嫌いなおまえ
そんなもの必要ないと思っている
けど複雑に肥大しすぎたそのアタマには
やっぱりメスが必要だ
きょうももまた
わけのわからない病魔に襲われて
苦しいか
去年の夏
おまえのからだを汚したのも
実はこいつなんだ
誰と寝て誰の子を宿したかも思い出せない
おまえ
イライラ
この瞬間を解剖するんだ
遅れているとか
取り残されるとか
いったいなんの話だ
くつろげないおまえ
絶えず「前進」を実感していたい
おまえ
またイライラ
虚無感という使い慣れない言葉がよく似合う
この瞬間を解剖するんだ
原因はどこだ?
おまえの過去にはたしかに
不幸なことがひとつあった
すべてのまちがいは
そこから始まったのかもしれないさ
自分の内側にじっとしていられない
何をやっても集中できない
それなら
耐えかねて飛び出すのもいいだろう
けど
行き先がまちがってないか?
そこは所詮一時の気休めだ
同じことのくりかえしだ
耐えかねて飛び出すのもいい
ただ
行き先をまちがうなってこと