小学6年の息子に観念要素の更改法を教える

暗示の力はあなどれません。 おまえはエラいぞ、エラいんだぞと言って聞かせればエラくなり、ゼッタイ勝てる、勝てるぞと言って聞かせれば勝つ。 人に褒められて伸びるタイプもいるけれど、自己暗示のほうが強力です。その効果が最大になるタイミングって?

観念要素の更改法とは、潜在意識を浄化する方法であり、中村天風師の創見された心身統一法のひとつである。潜在意識領内に蓄積され、顕在意識(実在意識)の積極性を左右する因子である観念要素を、ネガティブからポジティブへ軌道修正する。寝際の心は暗示を受けやすく、潜在意識に訴えかける力が強いことを利用した「自己暗示誘導法」が中心となるが、これには、(1)消極的な心を寝床にもちこまない「連想暗示法」、(2)鏡に映る自分の顔に向かって自分のなりたい状態になれると命令口調で諭す「命令暗示法」、(3)なりたい状態がすでに現実化したと目覚めた直後に告げる「断定暗示法」、等がある。(宗之内喜久造)

偏差値16ポイント急上昇!──息子の変化いろいろ

2年半前のブログに書きましたが、
息子のミチハル(仮名)にクンバハカを教えたのは3年のとき。
ミチハルの小学校生活は、
3年から4年にかけて底。
へなちょこで弱かったし、
しょっちゅう泣かされて泣いて泣かされて泣いて、
親としてはやきもきしながら見守るしかなく、
ひとつの歯止めとしてクンバハカを教えた。
これさえ知っとけば自分を守れる
と、
そう思ってたので。
しかし残念ながら、
さすがにちょっと早すぎたか、
本人はピンと来ず。
>クンバハカってなぁ、
>あれなぁ、
>なんかまだどうもわからんわ。

って、
にべもない。
5年生になってもゲーム三昧で、
友だちといっしょに遊ぶことが少なくて、
そろそろゲームに飽きるころかと思えば次は「ベイブレード」(現代版のコマまわし)にハマって。
そうこうしているうちに中学受験がどんどん迫ってきて、
6年になって最初の公開模試までずーっっと偏差値40台の前半で低迷。
ついに親としても堪忍袋の緒が切れて、
5月から受験に首を突っこむことにした話も書きました。
観念要素の更改法を教えたのはそのときです。
あまりに公開模試の結果が悪かったので本人もショックで、
凹んで泣きながらも受験では負けたくなくて、
やる気になりはじめていたからちょうどいいタイミングでした。
>おまえの成績がぜんぜん上がらんのは集中力がないからや。
>わかっとんな。

──うん。
>集中力がないのは意志が弱いせいやけど、
>意志をめちゃめちゃ強力に鍛える方法があるねんけど、
>知りたいか。

──うん。
何を言っても「うん」としか返せないくらいシュンとうなだれてましたが、
素直なのがミチハルのいいところ。
「観念要素の更改」って、
コトバはむずかしいけどやることは単純なんで。
寝る直前に手鏡を使って、
自分の顔を写して、
>おまえは意志が強くなる!
と、
暗示をかける。
それだけ。
たったそれだけのことを、
毎晩つづけなあかんよと言い聞かせた。
自分に向かって暗示をかける際に何と言うかは人それぞれで、
なりたい自分をイメージして決めていただいたらいいんですけども、
ミチハルの場合は何をするにも意志が弱くて途中でほっぽりだしてたんで、
これにしようとわたしが決めた。
本人も自覚があったのでナットク。
勉強するより意志を強くするほうが大切

教えました。
鬼より怖い父親が「最優先でやれ!」って命令するんですから、
毎晩きっちりつづけています。
学校でいいことがあったときは、
>自己暗示してる効果が出たんちゃうか!
って
おだてているうちに本人もすっかりその気になって、
どんどん自信が出てきた。
そこからいい調子で成績が伸びてきて、
きのう返ってきた塾のテストは自己ベストの偏差値で、
5月の公開模試とくらべて16ポイントアップ(40.8→57.1)しました。
暗示が効いてきたんでしょう。
これって洗脳みたいなもんですから、
方向がまちがってるとコワいとこだけに、
わたしの信念も問われます。
意志が強くなってきたのは疑いようがなく、
成績が伸びてきただけじゃなしに、
学校でも友達に好かれて人気者になっているらしい。
このごろ学校へ行くのが楽しくてしょうがないとか。
>小学校1年から5年までと6年になってからとで、
>いちばん変わったんボクやと思うわ。

って、
本人の口から聞いたときには驚きました。
うれしいこと言うてくれますが、
たしかにそのとおりなんです。
たとえば、
以前は散歩に誘っても外に出るのをいやがっていたのに、
近ごろでは息子のほうからジョギングしようと催促することが増え、
いっしょに走ったらついていくのがしんどいくらいになっている。
お正月にいっしょに「ぜんざいマラソン」に出て5キロ走ったときは、
まだわたしのほうが速かったんですけども、
どうやらすっかり逆転されたようです。
偏差値は上がっても、
第一志望校に合格するレベルにはまだ遠く及ばず「D」判定ですが、
希望の旗を降ろさずにすむところまでは持ち直したと思ってます。
いいんです。
これくらい心が強くなってきて、
自分で鍛え方がわかってきたら、
たとえ試験に落ちてもだいじょうぶ。
>こういうときはこんなふうに考えろってことやろ。
って、
ネガポジ転換にもすっかり慣れてる。
だからこいつはもう
だいじょうぶな気がする。
最近は午前1時すぎまで勉強してることもあって、
わたしが先に寝ることもしばしば。
男っぽい猛チャージでよくがんばってる。
5年のときにそろそろゲームやめろって、
プレッシャーかけてやめさせたこと、
なんか根にもって引きずってたらどうしようかとか思ってましたが、
そういうのもまったく杞憂。
なんの未練もないらしいんで。

最後の運動会

きょうは息子にとって最後の運動会。
長女のナツハとは2つちがいなので、
小学校の運動会は8回めで、
これがほんとうに最後。
子どもが2人とも出てるときは、
出番から出番までが短かったけど、
ひとりだと待ってるあいだに自宅に戻れるくらい間延びします。
低学年のころの、
胸にキューンとくる感動は薄れてきますね。
かわいさの質も変わってきてるんで、
楽しかったかと本人にきいたら、
めっちゃ楽しかったっていうんで、
だったらよかっなぁ~って感じですけど、
そのあとのひとことが印象的で笑えます。
>ボクが運動会が楽しかったっていうのはな、
>運動会はどうでもええねん。
>友だちといっぱいしゃべれるやろ。
>そういうのが楽しいねん。
>人間関係やねん!

‥‥うん、まあ確かに、
騎馬戦であっさり帽子とられて負けたくせに、
そんなんそっちのけでケラケラ笑っとった。
「人間関係」って、
意味わかって言ってるんでしょうか。
いちいち大人っぽくてウケますわ。

おねえちゃんに感謝

ミチハルが大人っぽくなってきた理由について、
もうひとつ心当たりがあります。
長女のナツハが寮生活を始めたために、
家にいなくなったこと。
ケンカ相手のおねえちゃんがいなくなって、
ミチハルはかなり寂しくなったはずなんです。
たいして感動もなくなった運動会で、
胸にキュンと刺さったことがひとつ。
>ナツハちゃん、
>来てほしかったな‥‥

って、
ミチハルがポロッと言ったひとこと。
そりゃそうかな。
ナツハは週明けに試験があるとかで、
弟の運動会くらいでは帰ってきません。
そういう寂しさのひとつひとつが、
ちょっとずつミチハルを鍛えてるんだと思うんです。
自分の意思でひとりで暮らしてて、
どんどん大人になっていってる姉の存在がかなり刺激になってる。
よかったと思いますね。
お金がかかるっていう点を別とすれば、
ナツハが寮生活を選んでくれたのは大正解。
運動会で出会った知りあいにも
>あれ?
>おねえちゃん帰って来てないの?
>寮生活はどうなの?

って、
口々にきかれましたけど、
ご心配なく
寮に入って1年半たちましたが、
いまでもウキウキしたまんま、
楽しくてしょうがない様子です。
それどころか、
連休で帰ってきても家のほうが退屈らしく、
早く寮に戻りたがるほど。
まだ中学2年なのに、
たしかに落ちつきあって大人びて、
短大生くらいに見えるでしょうね。
たいしたもんです。
もし寮に入ってなかったら、
いまでも弟とケンカばっかりしてるでしょうけど、
小学生のうちから自分でそんな選択ができたなんて。
たいしたもん。
妻のストレスは半減するし、
だいいち家が広く使える。
親父としても、
年ごろのムスメが家にいると、
なにかにつけて気を使わないといけなくなっただろうし。
ちょっと寂しいけど、
それ以上に楽で助かることのほうが多いです。
なにより、
本人がめっちゃ楽しんでるんだから親としても気が楽で。
このまま高校卒業まで寮で楽しんで、
大学に進学したらひとり暮らしで楽しんで‥‥
あれ?
もしかして、
もう娘といっしょに住むことがないってことなのかな?
‥‥ってことに、
いまここで気づいてどうすんねん。